Blackmagic Design社から発売されたコンパクトサイズシネマカメラ
Blackmagic Pocket Cinema Camera 6K
通称 BMPCC6K(ポケシネ6K)
Blackmagic Designといえば、4Kの映像が撮れる BMPCC4K が人気ですが、
BMPCC6K では6K撮影でき、さらに突然の発表!ということでかなり話題になりました。
今回パンダレンタルさんでお借りしたので、テストした使用レビューです。
※BMPCC6K Proが発売されました!
【BMPCC6Kレビュー】Blackmagic Pocket Cinema Camera 6K を使ってみた!【ポケシネ6K】
シネマクオリティの撮影ができるコンパクトカメラ
Blackmagic DesignのBMPCC4K
BMPCC4Kの片手でハイクオリティな撮影ができる機能はそのままに、新たにパワーアップしたBMPCC6K
Blackmagic Designのカメラが気になる人は、そもそもカメラに詳しい人が多いと思うので、BMPCC4Kとの違いと、実際の使い勝手について紹介します。
BMPCC6Kの特徴
BMPCC4K同様、ムービー撮影に特化したカメラのBMPCC6K
6K解像度
解像度、フレームレートは以下の様に選べます。
- 6144 x 3456 16:9で最大50 fps
- 6144 x 2560 2.4:1で最大60 fps
- 5744 x 3024 17:9で最大60 fps
- 2.8K 2868 x 1512 17:9で最大120 fps
- 3728 x 3104で3.7K 60 fpsのアナモフィック6:5モード
最大の6Kでも50fpsで撮影できるので、24fpsで書き出す時には2倍のスローモーションを選択できることになります。
ただし、BRAWで撮る場合、4Kでは撮影できません。
4Kで撮影できるのはProResでのみ
せっかくBMPCC6Kを使うのなら、BRAW使わないのは意味がない?ので、4Kの画角が必要なら必然的に6Kで収録して編集でクロップすることになります。
スーパー35mmセンサー
BMPCC4KのMFTセンサーから、スーパー35mm(およそAPS-Cセンサー)へと変わりました。
センサーサイズが大きくなることにより、
- 浅い被写界深度(ボケ)
- 広い画角
- 明かりの少ない場所でより綺麗に撮れる
などの利点があります。
EFレンズマウント
マウントがEFに変更になり、多くのキヤノン用レンズがそのまま使えることになりました!
(BMPCC4Kではマウントアダプター経由で接続可能でした)
SIGMAのArtレンズなどの大きなレンズを取り付ける場合、マウント部分が心配でしたが、この様に安定しています。
軽量のボディ
ボディの作りはBMPCC4Kと同様の、カーボンファイバー・ポリカーボネート製の軽量ボディ
扱いやすく、相変わらずシネマカメラとは思えない様なメカニカルなデザイン
排熱機構も大きくなりました。より熱を吐き出しやすい仕様に。(より熱を持ちやすいということかな?)
そういやこんなことに。かなり熱されます。
BMPCC6Kにつけてたピークデザインのプレート
熱でゴム部分が変形して剥がれた💦排熱部分が相当熱いから?
注意が必要 pic.twitter.com/hMCyYmrFMr— スカイフィッシュ🐟💨ドローン (@drone_skyfish) 2019年9月13日
分かりやすいインターフェイス
日本のカメラメーカーとは全く異なるシンプルなメニュー表示
BMPCC4Kを購入した時にはあまりにも違いすぎて困惑しましたが、今ではかなりシンプルで使いやすいと感じています。
13ストップのダイナミックレンジ
BMPCC4Kと同じ13ストップのダイナミックレンジに対応。通常のビデオカメラと比較して、イメージの中の最も明るい部分と最も暗い部分で、より多くのディテールを保存します。
デュアルゲインISO
BMPCC4Kと同様、ISO400と3200のデュアルゲインISO
明かりの少ない場所でも驚くほど綺麗な映像を残せます。
5インチの大型タッチスクリーン
大きく見やすいタッチセンサーモニター
サイズは5インチの1920 x 1080
ただしモニターは相変わらず固定式だったり、屋外の明るい場所では見えづらいという点も。
撮影時にがっつり作り込むのであれば、外部モニターは必須です。
バッテリー
BMPCC4Kと同じ、CANONカメラでもお馴染みのLP-E6タイプのバッテリー
電池持ちは良くありません。
ここは諦めて予備バッテリーを複数用意するか、DC電源コネクターからVマウントバッテリーなどを利用して給電をするしかないかな。
一応、USB-C拡張ポートから、モバイルバッテリーなどを利用してバッテリーの充電ができるみたいです。
収録メディア
記録メディアはこちら
- CFastカードスロット x1
- SD UHS-IIカードスロット x1、
- USB-C 3.1 Gen 1拡張ポート x1(外付けメディアへのBlackmagic RAWおよびProRes収録用)
試しにいつも使っているSanDiskのSDカード(UHS-I)で撮影してみましたが、6Kはものの数秒で止まりました。
改めてProgradeのSDカードに入れ換えてみましたが、こちらは問題なく撮影できました。
ProGrade Digital (プログレードデジタル) SDXC UHS-II V60 250R メモリーカード 国内正規品 (256GB)
- 出版社/メーカー: ProGrade Digital Incorporated
- メディア: エレクトロニクス
SanDiskのSDカードでも、UHS-IIであれば問題なさそうです。
個人的におすすめは外付けのSSD
大容量で速度も速く、CFastカードよりもコスパが良い。
SanDisk Extreme ポータブル SSDを使用しています。
高品質なマイク
4つの内蔵マイクとプロ仕様のオーディオ入力で、サウンドレコーダーを持ち運ぶ必要なく収録可能
- マイク入力
- 3.5mmステレオ入力
- フルサイズHDMIコネクター
- DC電源
- USB拡張ポート
- XLRオーディオ接続
Blackmagic RAW
BlackmagicのRAW動画のコーデック Blackmagic RAW
RAWフォーマットの品質とワークフローで、ビデオコーデックの速度と使いやすさを実現しています。
Blackmagic RAWは、12:1までの圧縮レベルから選択でき、劇場映画、ドキュメンタリー、テレビ番組に使用できる程の美しい映像が撮影できます。
ポストプロダクション(編集)においては、DaVinci ResolveでISO、ホワイトバランス、露出、コントラスト、彩度などのRAW設定を自由にコントロールできます。
DaVinci Resolve Studioを同梱
BMPCC4Kと同じく、動画編集ソフトのDaVinci Resolve Studioのフルバージョンが同梱
3万5千円ほどする有料版のDaVinci Resolve Studioがセットになっています。
DaVinci Resolveはハリウッド映画で使用されているほど業界ではスタンダードなソフト。
DaVinci Resolve Studioでは動画の編集、カラーコレクション、エフェクト、オーディオ、書き出しが全て一つに収まっています。
BMPCC4Kで撮影した高品質な素材を、DaVinci Resolve Studioで一貫して編集することで、円滑な映像作成が可能になります。
一応写真も撮れる
ムービーに特化しているので、おまけ程度ですが、21.2メガピクセルの写真も撮影可能。DNGファイルで収録されます。
(JPEGに変換はされません。)
実際の写真(DNGファイルからJPEGに書き出し)
オリジナルストラップ
オリジナルのストラップも付属(ぶっちゃけ使わないけど)
BMPCC6Kで撮影したテスト動画
早速、夜の街に出かけて撮影
こちらの動画にまとめました。
ロケーションは深夜の都内の道路、明かりの少ない街頭での撮影。
悪条件の中でも車のヘッドライト、光に照らされたスチールの素材感など出ています。
【4K】”TOKYO CITY LIGHTS” BMPCC6Kで撮影したテスト映像(Blackmagic Pocket Cinema Camera 6K Test Footage)
こちらはドローンの映像と組み合わせた映像
【4K】”LAKE” Blackmagic Pocket Cinema Camera 6Kとドローンの空撮映像(DJI Inspire2/Phantom4Pro/Mavic2Pro)
撮影に使った機材はBMPCC6K以外では
レンズは
- SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM Art
- SIGMA 14-24mm F2.8 DG HSM Art
- SIGMA 85mm F1.4 DG HSM Art
SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM Art
SIGMA 14-24mm F2.8 DG HSM Art
SIGMA 85mm F1.4 DG HSM Art
ジンバルは
- DJI Ronin-S
三脚は
- マンフロット 190GO!
今回の撮影ではジンバルか三脚に載せて撮影しましたが、手ブレ補正のないレンズということもあり、手持ちでは厳しいと思います。
BMPCC6Kを使ってみた感想
6KのRAW動画が、こんなに簡単に手に入るのか!というのが最初の印象
BMPCC4Kの4Kの時も驚きでしたが、6Kということで、さらに進化しています。
しかもBRAWのデータは4Kと同じく、6KのRAWデータとは思えないほど軽くて編集でもスムーズでした。
(ただしある程度のPCスペックは必須)
自分の場合、編集にはiMacを使用
【PC周辺機器】iMac (Retina 5K, 27-inch, 2017) と一緒に用意した物とデスク周り –
メリット
スーパー35mmのセンサーにより、ボケを取り入れた表現が可能になります。
又、直接EFレンズが取り扱えるということで、EFレンズ持ちには嬉しいところ。
データは6Kでそのまま書き出すことはないので、4KやFHDに書き出すことになると思うのですが、最大6144 x 3456の解像度は編集の段階で圧倒的に自由度があります。
まさに大は小を兼ねるといったところ。
デメリット
ただデメリットとしては、ボケを活かせる分、ピント面はシビアになるので、BMPCC4Kよりも気軽に使う点では劣ります。
又、BRAWがいくら軽い動画コーデックとはいえ、6Kには変わりはないので、保存しておくストレージの確保、編集するPCのスペックという撮影後の環境を整えることも必須です。
BMPCC4Kと比べてみて
比べてみてBMPCC4Kの利点はOLYMPUSの12-100レンズを使えること。
このレンズは手ブレ補正が鬼のように強力な上、35mm換算で24-200mmというめちゃくちゃ便利な性能。
わりとこの1本で何でも撮影できてしまいます。
MFTセンサーはボケが作りづらく、エモさを出すには物足りないかもしれませんが、逆に言えばピントが合わせやすく、ソロ撮影ではかなり取り回しやすいと思います。
インドにもこの組み合わせで旅行
こちらは実際にインドでBMPCC4Kと12-100mmのみで撮影した動画
一人旅でも問題無く使えました。9割がた手持ちで撮影しています。
”Agra” Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K & M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
BMPCC6Kレビューまとめ
正直、一般ではオーバースペックで尖りまくったカメラBMPCC6K
気軽におすすめということは言えません。
ですが、このカメラでないと撮れない映像があるのも事実
シネマクオリティを手にしたい方、挑戦してみてはいかがでしょうか?
パンダレンタルさんはこちら
【関連記事】
【ドローンのある休日】カメラを持って山梨の自然と湖を撮影してきた!【富士山】
BMPCC6K Proが出ました!
コメント