こんにちはブロガーのスカイフィッシュ() です。 @drone_skyfish
先日、今更なんですが、SIGMAのカメラ dp3 Quattroを購入しました。
2015年発売のカメラなので、正直何世代も前のカメラ
しかしながらFoveonセンサーという唯一無二のセンサーを搭載しているということで、今でも愛好家がいる、そんな魅力を秘めたカメラです。
以前からずっと気になっていたのですが、どうしてもFoveonを試してみたくて、今回手に入れました。
正直、デジタル機器であるデジカメは、新しい物の方が圧倒的に性能は有利。また、今ではiPhoneであれば手軽に綺麗な撮影ができます。
そんな現代の機能性や快適さとは真逆をいくカメラ dp3 Quattro
実際の使用感や、なんで今このカメラなのか?ということを話したいと思います。
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SIGMA dp3 Quattro
こちらがdp3 Quattro、三角?四角?言葉では上手く伝えることができない面白いフォルムです。
一度見たら忘れない、独特のデザインが目を引きます。
他のカメラメーカーではあり得ない形状ではないでしょうか。
縦に持ってもかわいい
撮影した写真
Foveonセンサーで記録した写真は、普通のデジタルカメラで撮影した写真とは異質の存在。
まずはちょっとだけこのカメラで撮影した写真を。届いてすぐの部屋の中でテストした写真です。
自分の部屋だけど、どことなくノスタルジーな不思議な感覚の写真が撮れました。
デジカメなんだけど、デジタルっぽくない写りというか・・・
こちらの写真は伊豆大島で撮影した写真。
大島に着いた際、港にあった施設を写したのですが、このコンクリートの質感がやばい。Foveonで写すことで近代美術のアート作品に見えてきます。
ふとした時に撮影した植物の葉も、驚くほどの解像感で描写。しっかりと葉の表情を伝えてくれます。
続いて伊豆大島の裏砂漠の写真。日本とは思えない景色が広がっており、お気に入りでこれまで何度も訪れている場所。
天気次第で雰囲気が全く異なるのも面白い。(1日目は快晴、2日目は霧で全く前が見えませんでした)
Foveonが写す裏砂漠はとても東京とは思えない、むしろどこか異世界のような感覚を覚えます。
打って変わってこちらは、ティール&オレンジで休日に近所の風景を撮影。
日常の光景を映画のワンシーンの様に残してくれるカラーモード。細かな描写もコンデジとは思えないほど良く写ります(ブログ用に圧縮しているのが残念)
強い光が入った時に出るフレアはグリーンに被ることがあるのですが、それも味として楽しめる余裕が必要w
このカメラ、クセの塊
最近のデジカメと比べると、dp3 Quattroは特殊でかなり尖った製品。
特徴をざっと説明すると
- FOVEONセンサーを搭載
- 唯一無二のデザイン
- 焦点距離違いの4種のカメラがある
- コンデジなのにサイズ大きい
- 不思議な形なので嵩張りがち
- ノイズがでやすいのでISO感度が上げられない
- 撮影に時間がかかる
- バッテリーの消耗早い
- AF弱い
- 手振れ補正ない
- 画面見づらい
- 写真の現像しずらい
- 動画撮れない
という、ポイントを挙げるとなぜかマイナスな点が目立ってしまうカメラ(泣
クセの塊のようなカメラです。
Foveonセンサー
なんといっても1番の特徴はFoveonセンサー搭載という点
SIGMA fp、fp Lをはじめ、他のカメラメーカーのカメラではベイヤーセンサーという方式のセンサーを使用しています。
ざっくりとですが、
通常のベイヤーセンサーだと、イメージセンサーでRGBの信号を受ける場所が決まっているため、データを受ける場所、受けれない場所があり、結果デジタル補間をして写真を完成させています。その分処理速度が速いのが特徴です。
Foveonの場合には3層のレイヤー構造になっていて、それぞれRGBを受ける層があるので、余すことなく情報を得ることができるのが特徴です。センサーで受けることができる情報が多い分、解像感がある写真が残せますが、処理に時間がかかる弱点もあります。
現在、Foveonを搭載しているのはSIGMAのカメラ、それも数年前の機種のみです。
dp Quattroシリーズ
dp Quattroは4種類のカメラがあり、全てAPS-Cセンサー。
0〜3までの焦点距離の異なるシリーズです。
- dp0 Quattro 換算21mm相当 F4の超広角レンズ
- dp1 Quattro 換算28mm相当 F2.8の広角レンズ
- dp2 Quattro 換算45mm相当 F2.8の標準レンズ
- dp3 Quattro 換算75mm相当 F2.8の中望遠レンズ
今回僕は焦点距離の一番長いdp3を選びました。
換算75mmの中望遠レンズで、画面を整理しやすく、目の前の光景を切り取ることが可能です。
マクロでも撮影できるので、意外と使いやすいのではないでしょうか。
また、追加でコンバージョンレンズも買ったので、換算90mmの中望遠としても使えます
意外と?良かった点
驚いたのは意外とグリップしやすい形状。
一見持ちづらそうな見た目とのギャップがあります。
また、クセはありますが、思ったよりも軽く持ち出すのも苦になりません。
これは実際に持ってみないと伝わりづらい点だと思いますが、思った以上に手に馴染みやすい形状です。
注意点
ここからは注意点。この辺りをしっかり認識しておくことで、dp Quattroシリーズを受け入れる心の余裕が生まれますw
ISO感度は上げられない
今ではISO感度を上げてもノイズが出ないカメラは多々あります。
それとは真逆で、このカメラはノイズひどく、ISO感度が上げられないという欠点があります(基本ISO感度100で上げても400くらい)
少し暗くなったり、シャッタースピードを下げたい場合には三脚は必須になります。
手振れ補正ない
手振れ補正、そんな便利な機能はありません。
もう一度言います。
三脚は必須です。
撮影に時間がかかる
またシャッターを押して撮影し、プレビューまでのラグがあり、地味に時間がかかります。
これはFoveonセンサーが3層のため、通常のベイヤーと比べれば3倍の処理が必要という点。
パシャパシャ撮るカメラではありません。
仕方ないので気長に待ちましょう。
バッテリーライフは短い
思いの外早く消耗するバッテリー。予備バッテリーは必須です。
個人的には共有できるのでSIGMA fp/fp Lと同じバッテリーということが嬉しい。
背面モニターはおまけ
撮影後も、背面モニターの画面が見づらく、実際には家に帰ってPCで見るまではどんな仕上がりなのできちんと確認できません。
デジタルだけど、フイルムカメラの様な感覚が近いかもしれません。
背面モニターはおまけです。
動画は撮れない
写真オンリーです。
動画はiPhoneで撮りましょうw
もしくは、SIGMA fp/fp Lで
写真の撮影データと現像に関して
これは今現在進行形なんですが、写真の撮影データと現像に関してとても悩んでいます。
個人的に撮影フォーマットは JPEG + RAWで撮影したいのですが・・・
FoveonのRAW(X3F)は特殊で、AdobeのLightroomに取り込むことができません。
SIGMAの現像ソフトSPP(SIGMA PHOTO PRO)を使用します。
このSPPが鬼門で、めちゃくちゃ重い。現像にマジでめちゃくちゃ時間がかかります・・・(正直使いたくない)
dp3にはJPEG + RAW以外で、DNGで保存もできるのですが、
JPEGで同時収録できない、カラープロファイルが限られている(例えばティール&オレンジが使えないなど)、というマイナス面があります。でもLightroomに取り込めて、現像がらくちんという利点。
ただFoveonはSPPで現像するのが一番良いとも言われるし・・・(X3FのRAWは14bit、DNGは12bitらしい)
X3Fのメリット・・・RAW+JPGが可能 / カラーモード楽しめる / SPPで編集すると最高
X3Fのデメリット・・・データ重い / SPPでしか編集できない / SPPクソ重い
DNGのメリット・・・X3Fより軽い / Lightroomに取り込める / 現像が楽
DNGのデメリット・・・JPGの同時収録が不可能 / カラーモードの選択肢少ない
この辺りの、どのフォーマットで撮影するのか、今も悩んでいるところです。
SIGMA dp3 Quattro のまとめ
ということで、改めて今回購入したdp3 Quattroの紹介をしてみました。
dp3 Quattroは、高感度で撮れない、AF弱い、撮影に時間がかかる、手振れ補正ない、動画撮れない・・・等々問題点はいくつもある使いづらいカメラです。
正直今、様々な優秀なカメラ、手軽なスマホがある中で、このカメラを選ぶことは普通に考えればない選択肢。
ただ、それでもそんなマイナスな点を覆す様な、唯一無二のFoveonの写真、撮影体験、魅力的なデザイン
出来ないことを理解した上で使う楽しみ、不自由な中で得られる喜びがこのカメラにはあります。
以前、メーカーから正式にフルフレームFoveonの開発仕切り直しが発表されたので、フルフレームのFoveonカメラが登場するのは近々ではないはずです。
Foveonが気になっている方は、今からでも遅くはありません。
もし気になる人はdp Quattroシリーズを一度試してみてはいかがでしょうか?
(むしろdp1 Quattro以外は生産終了したので気になってた方は急いで!)
動画でもレビュー公開しております!ぜひチェックしてみて下さい!
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