SIGMAが出している、レンズの調整ができるSIGMA USB DOCKの使い方について
SIGMAレンズを調整するシグマ USB DOCKの設定方法
新しいレンズが発表され、ますます目が離せないカメラメーカーSIGMA
新型のカミソリマクロレンズ!
SIGMAは2012年からArt、Contemporary、Sportsという3つのコンセプトに沿ってレンズを発表しています。
で、このコンセプトラインの製品はシグマが出しているUSB DOCKという製品でカスタマイズすることが可能です。
少し手間が掛かるのですがその設定方法を紹介します。
SIGMA-USB-DOCKで何ができるのか”>SIGMA USB DOCKで何ができるのか
SIGMA USB DOCKのカスタマイズ、メーカー公式の説明だと
SIGMA USB DOCKは、USBケーブルを介してPCに接続して、レンズ・ファームウェアのアップデートや、合焦位置の調整が行えるContemporary、Art、Sportsライン専用レンズアクセサリーです。各調整は、専用ソフトウェア(SIGMA Optimization Pro)で行います。ファームウェアのアップデートや、合焦位置の調整の他にカスタムモードスイッチを搭載したレンズにおいてはAF速度の選択、フォーカスリミッターの調整、OSの調整も可能です。
ざっくり言うとピント調整(他)を自分で行うと言うもの
Artラインのレンズ解像感は本当にすごいんですが、
もし今までにSIGMAのArtレンズ試したことがあって
「なんだこんなものか、大したことないな〜」
って思った方、もしかするとそれ、ピンズレしてるかもしれません!
オートフォーカスでピントを狙った時、前ピン、後ピンといって、ピントが被写体に合っていなくて、前後どちらかにズレてしまっていること、残念ながら結構あるんです。
なのでピントを合わせたと思っていたのに、実は合っていなくて、レンズ自体の性能(写り)を発揮できないでいることがあります。
メーカーにレンズと本体を送ると調整してくれるそうですが、時間もかかるしカメラボディも手元に無くなってしまいます。
そこで自分で調整できるUSB DOCKの出番です!
各レンズによって調整できることが異なります。
ContemporaryArtSportsラインのレンズでできること”>Contemporary、Art、Sportsラインのレンズでできること
レンズのファームウェアアップデート
レンズのファームウェアを最新のものに更新することができます。
ピント調整
単焦点レンズの場合は撮影距離4領域、ズームレンズの場合は(焦点距離4領域)×(撮影距離4領域)の計16領域をそれぞれ任意にピント調整することができます。
MF切り替えの設定
新フルタイムマニュアル機構を搭載した機種において、AF作動中にフルタイムマニュアルの動作の変更やフォーカスリングを回してからMFに切り替わるまでのタイミングの調整を行えます。
Sportsラインのレンズのみでできること”>Sportsラインのレンズのみでできること
AF速度の調整
撮影する被写体に合わせ、AF速度を3つのモードから選択することができます。
フォーカスリミッターの調整
オートフォーカスの駆動範囲を任意に調整できます。
OSの調整
手ブレ補正の動作を調整し、撮影スタイルに合わせたファインダー像を選択することができます。
USB-DOCKピント調整に必要なモノ”>USB DOCKピント調整に必要なモノ
USB DOCKのカスタマイズで一番多いのはピント調整だと思います。(実際に僕がやっているのもピント調整のみ)
そこでピント調整の際に必要なものは下記になります。
SIGMA USB DOCK
SIGMA USB DOCKは各マウントごとにあるので自分の持っているカメラメーカー対応のものを用意します。
(現時点でシグマ用、ソニーAマウント用、キヤノン用、ペンタックス用、ニコン用があります。その内ソニーEマウント用も出ると思われます。)
中身はこんな感じです
フタを外すと金属のマウント部分が。ここにレンズを取り付けます。
対応レンズ
先ほども書いたContemporary、Art、Sportsラインのレンズを用意します。
カメラと三脚
撮影してピントを調整するので、普段使っているカメラを。
三脚は出来るだけ用意した方がいいです。今回の画像ではマンフロットのPIXI EVOを使っていますが、以前はもっとしっかりした三脚を使いました。
後で書きますが、レンズを外したりするので、出来るだけがっちりした三脚の方がいいかと思います。
パソコン
パソコンはMacでもWindowsでも大丈夫ですが、専用ソフトのダウンロードが必要になるので
Mac OSであれば
- Mac OS X Ver. 10.7、10.8、10.9、10.10、10.11、10.12のいずれかがプリインストールされたIntelプロセッサを搭載したパーソナルコンピュータ
- 1GB以上のRAM 1GB以上の空き容量のあるハードディスク
- 24bit(約1677万色)以上のカラー表示が可能なグラフィックカード
- 1024 x 768以上の画面解像度をサポートするディスプレイ
- USB1.1を標準サポートされたPC
Windowsであれば
- Core2Duo相当以上のプロセッサを搭載したパーソナルコンピュータ
- Windows 7、Windows 8、Windows 10のいずれかがプリインストールされたパーソナルコンピュータ
- 1GB以上のRAM 1GB以上の空き容量のあるハードディスク
- 24bit(約1677万色)以上のカラー表示が可能なグラフィックカード
- 1024 x 768以上の画面解像度をサポートするディスプレイ
- USB1.1を標準サポートされたPC
以上の環境が必要です。(小難しい感じですが、よっぽど古いPCとかでなければ大丈夫)
レンズを取り付け
SIGMA Optimization Pro(PCソフト)
カスタマイズするにはSIGMAのPCソフトSIGMA Optimization Proが必要。
SIGMA公式で無料でダウンロードできます。
下のリンクから
SIGMA Optimization Proを起動したところ
レンズフォーカス調整ツール
これは無くても良いんだけど、あればより正確にピント調整が可能になります。
使うのはこれ
デジタル一眼レフカメラ用レンズフォーカス調整ツール アラインメントルーラー 折りたたみカード(2点セット)
- 出版社/メーカー: DSLRKIT
- メディア: エレクトロニクス
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素材は固めの紙。
この紙を組み立てます
完成状態
この0の数字周辺のピントを見ることになります。
カメラからピントを合わせる際に、中央の立たせたQRコードの柄部分にピント合わせるのですが、そこが0のメモリになります。
SIGMA-USB-DOCKのピント調整の設定方法”>SIGMA USB DOCKのピント調整の設定方法
ここからが実際のテスト調整。すげー地味です。
自分はARTレンズを調整。
これは35mmの単焦点レンズを、PCソフトSIGMA Optimization Proに接続した画面
ピント調整をします。
単焦点レンズの場合、4つの撮影距離で調整可能
赤丸の部分、0.3m、0.4m、 0.6m、無限遠の4箇所
この4つの距離でそれぞれ調整が異なります。
各撮影距離に数字を入力しピントの前後を調整します。
前ピンであればプラス側、後ピンであればマイナス側に数字を調整。
重要なポイント!
最大でプラス20、マイナス20まで目盛調整ができるのですが、この数字は(例えば)mmやcmとか明確な数値や単位ではありません。
正直これは感覚です。
なので以下の方法で実際に撮影し自分の目で微調整をする必要があります。
最初に0.3mつまり30cmの距離から撮影を行います。(自分の場合近い距離から調整)
三脚に取り付けたカメラを調整ツールを水平に置きます。きちんとお互いが正面を向く様に。
メジャー等で距離を測ると正確。
ファインダーを覗いてピントを合わせます。ピント調整できるのは位相差AFのみだそうです。
ライブビューはコントラストAFになるので、カスタマイズした設定は適用されません。
ライビューではなくファインダーで合わせましょう。
できるだけ一番ピントが合っているところを見たいのでF値は開放で。
これで撮影した写真を確認。
写真を見て、ジャスピンか、前ピンか、後ピンかを自分で判断します。
撮影した写真のピントが数字目盛の
0のところに来ていたらジャスピン
0より手前に来ていたら前ピン
0より後ろに来ていたら後ピンということ
ですのでジャスピン以外では、前ピンか後ピンか分かったら、
カメラからレンズを外し
↓
USBドックにレンズをつなぐ
↓
レンズの数値をプラスもしくはマイナスに大体の数値を入力
書き込みをするとレンズに適用されます。
これでピントが合っているか、もう一度カメラに取り付け撮影。
そしてトライ&エラーの繰り返し・・・
これを各撮影距離で行います(汗)
そしてズームレンズの場合、
4つの撮影距離と4つの焦点距離=16箇所で調整します(泣)
かなり地味な作業の繰り返しなので、SIGMA愛が試されるところ・・・
一応ですがこれは元々、自分好みに調整するツールなので、自分のレンズに不満がなければやらなくても大丈夫。
ただ、ピントの調整が無事に終わったARTレンズマジでヤバイです!!
これは自分の85mmレンズの実際に調整した数値。盛大にズレてた・・・
数値調整後の85mmレンズは全く別物に変わりました!!
最後に”>最後に
そもそも元も子もない話ですが・・・
シグマが最初からピンズレをさせなければ、こんな細かな調整を自分でしなくていい話ですし、
一般ユーザーからすれば、ピント調整を自分でさせるなんて!ってことになると思います。
それはその通り。
それでも従順なシグマ信者はコツコツとピンズレを調整するのでした。
ということで、
ヒマな人 SIGMAユーザーはぜひお試しを!!
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